お知らせ|NEWS

木を植える

まだ梅雨もあけず、蒸し暑い日々が続きます。

今日は本のご紹介です。

 

 

「木を植えた男」

ジャン・ジオノ/作 寺岡襄/訳 黒井健/絵

あすなろ書房 2015年

 

南フランス、プロバンス地方在住の作家による、

その土地を舞台にした物語。

 

20世紀の前半の二つの世界大戦の時期に、

ただただこつこつと荒地に種をまき、苗を植えて

後半生を生きた羊飼いの男性を描いています。

 

厳しい荒地から豊穣の地へと変化してゆく自然描写が美しく、

男性の行為のつつましやかな崇高さが読む者に切々と伝わってきます。

 

彼の行ないは、自分の目先の利益だけを求めた働きではありません。

樹木の生長や命の長さは人の時間を遥かに超越しているからです。

 

木々の性質を熟知し、ただたんたんと種をまき、苗を植えて

木々に新しい命を与え、荒地を緑あふれる豊穣な土地に変えてゆく男性のことを

観察者としての書き手が何年間かのスパンで語ってゆきます。

 

大地、植物、水、空気・・・。

食物連鎖の頂点に立つ人間たちがおごり高ぶり、

無茶な経済活動を継続して自然をないがしろにしたら、

自然はきっと仕返しをしてくるでしょう。

 

人々は、何によってその命をはぐくまれているのか・・・?

普段の生活に煩雑さにとりまぎれ、私達は大事なことをともすると忘れがちです。

 

フランスではなくても、プロバンス地方ではなくても、

彼が実在の人物ではなく、創作された人格であっても、

この物語の教えは、地球上の陸地や海や川や山のいたる所で、

人と自然との関係という意味において、普遍的なものを含んでいるように思えます。

 

 

コメント
株式会社山下建具店 〒710-0142 岡山県倉敷市林130番地
086-485-0172
Copyright (C) Kabusikigaisha YamashitaTateguten. All Rights Reserved.