お知らせ|NEWS

植物のお医者さん

暑くなったり、寒さが戻ってきたりで、

どうにも不安定な時候の毎日です。

 

だけど、山々は新しい緑に萌え、

風に吹かれて嬉しそうに見えます。

 

今日は本のご紹介です。

 

 

『木の声が聞こえますか 

 日本初の女性樹木医 塚本こなみ物語』

池田まき子 著 岩崎書店 2010年

 

日本全国の巨樹や古い樹木の診断や治療、移植を行う樹木医の

ひとりをとりあげて、その仕事をわかりやすく紹介した児童向けの読み物。

世の中にはこのような職業もあるのだと若い方への案内書となっています。

 

人を治療する医者と同じように、すべての古い大きな樹木の命を

救うことはできないそうです。彼女はその時の悲しみも多く経験して来られています。

 

また、樹木の治療でも移植でも、依頼者サイドのストーリーもあり、

樹木医以外にも多くの専門職の人々が実際に行動するため、

植物に関する知識はもちろんのこと、総監督のようなリーダーシップも必要とされ、

大変な仕事であることがわかります。

 

自分では根をはやしたその場所から動くことのできない木、

長い年月に渡ってそこに存在しているその植物と、

それに心を入れ込む人間たちのドラマは興味深いものです。

 

ちなみに塚本こなみ氏は、近年、倉敷の阿知の藤の治療に携わっておられます。

 

本?木?

戸外に出るとふわっと春の風が香ります。

そろそろサツキツツジの花も咲き始めました。

筍も今が旬。

夏野菜の苗が出回り始めます。

 

今日は本のご紹介です。

 

 

『ABCの本 へそまがりの アルファベット』

 安野光雅 福音館書店 1974年

 

著名な絵本作家による

丁寧なつくりの書物です。

 

シンプルな構成、文章もない。

でも、頁をめくるたびにクスリと笑わせてくれる

ユーモアたっぷりの独特の世界が坦々と展開してゆきます。

 

どんなに腕が達者な木工作家も製作不可能ないくつかのアルファベット。

(空間がエッシャーのだまし絵のようになっているから)

 

ブックケースも木目と節と釘とステンシル文字の

トロンプルイユ的なデザイン。

 

木と絵本が好きな方には是非おすすめしたい一冊。

(そう言えば「へそまがり」っていう言葉自体なんだか懐かしいですね。)

 

 

 

 

森林から材木へ、製品へ

今日は二十四節気の清明。

大気に光が満ち満ちてくる時候です。

 

今日は本のご紹介です。

 

 

『日本の林業2 木を使う 木に親しむ』

 白石則彦 監修

 NPO法人 MORIMORIネットワーク 編

 岩崎書店 2008年

 

植林されて長い年月にわたり育てられ、木材として利用できるだけに成長した樹木が、

どのように切り倒されて運ばれて、製材され、製品となるのかがよくわかる本です。

 

伐採、集材、搬出、造材、

原木市場、製材工場、材木商。

 

私たちの身近にある木製品ひとつ、お家の柱一本にも、

そのふるさとの山からたどってきたルートに思いを馳せてみることが出来るでしょう。

 

地域材で家を建てる木材の地産地消のことや、

古材のリサイクルのお話、輸入材のことなども簡潔に取り上げられています。

 

後半では、スギ、ヒノキ、マツ、ケヤキなど代表的な日本の木材の紹介や、

加工のしやすさ、熱をつたえにくい、湿度調整作用、殺菌作用、音響効果といった木の性質、

それらを利用した木製品の数々、木の加工法などなど。

 

最後は木へんのつく漢字もたくさん挙げられます。

杉、檜、桜、柳、楠、桐、枝、梢、根、板、棹、杖、棚、机、梯、棟、椀、etc...

木と私たち日本人の生活の本当に密接な関係性についてあらためて考えさせられます。

 

 

 

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